これからの時期、スタミナをつけるためにと摂取する方が増えるニンニク
好きな人も多いですよね
今回は、今が旬の「ニンニク」についてご紹介します
●特徴
中央アジア原産で、古くから世界中で香辛料、スタミナ剤として利用されてきています
食用にするのは地下茎が肥大した鱗茎(りんけい)部分で、若い花茎がニンニクの芽です。
主な薬理作用は硫化アリル(アリシン)によるものです。
ネギ類には硫化アリルが多く含まれますが、中でもニンニクにはたっぷり含まれています。
ニンニク中の硫化アリルで多いのはアリインで、切ったりすったりすることで酵素が働いてアリシンに変化します。
アリシンには抗酸化作用がある他、ビタミンB1と結合してビタミンB1の吸収率をアップさせるため、スタミナ(疲労回復)剤として良いと考えられています。
また、ビタミンB6の含有量が多いという特徴もあります。
●調理と組み合わせ
アリインからアリシンを作るためには酵素が良く働くことが大切です。
そのため、細かくした後は少し時間をおいてから調理に利用するのが良いでしょう
ニンニク片の中央にある緑色の芽の部分は、調理時に焦げやすいため取り除いた方が風味よく仕上がります。
ビタミンB1との相性が良いため、ビタミンB1が豊富な豚肉や大豆などと組み合わせるのがお勧めです
●選び方
皮が白くてしっかりと重なり、ふっくら丸みがあって粒が大きいものがお勧めです
軽いものは乾燥しすぎている可能性があるので注意しましょう
●保存方法
網袋に入れて風通しの良い場所につるすか、皮がついたまま粒をバラバラにしてラップに包んで冷蔵庫へ入れるのがお勧めです
また、新ニンニクをしょうゆにつけて密閉容器で保存すると、調味料としても使えて便利です
ニンニクは料理に風味がついて食欲もアップするため、これからの時期にとても良い野菜です
しかし私もそうなのですが、ニンニクやネギ類の味は大丈夫でも食べると胃もたれや腹部膨満感などの症状に苦しんでしまうためほとんど食べられない方がいます
おそらくこれはアリシン自体が刺激物であることが原因だと考えられますが、体質的に合わないのかもしれません
硫化アリルは、体に必要でデトックス作用も期待できる硫黄のとても良い補給源です
もし、上記のような症状でお悩みで、でも硫黄成分を積極的に補給されたい方は、α-リポ酸やL-シスチン、L-メチオニン、MSM(メチルスルフォニルメタン)などの硫黄を含む栄養素が配合されたサプリメントの摂取もお勧めです
(さ)
<参考>
・春夏秋冬おいしいクスリ 旬の野菜の栄養辞典 (吉田企世子:監修)
・からだにおいしい野菜の便利帳(板木利隆:監修)
・日本食品標準成分表2010