【論文紹介】高脂肪食と腸内細菌と脳の状態


最近、腸内細菌と体の関わりについて注目が集まっていますが、食事によって腸内細菌が変化することで体に様々な影響が出てしまうようですあせる

今回は「高脂肪食と腸内細菌と脳の状態」についての論文を紹介しますbulb

●高脂肪食は腸内細菌を通して行動を変化させ、脳に炎症の兆候
高脂肪食が健康と行動に影響を与える原因の一部は腸内細菌にあるかもしれない」という内容の研究報告です。

【目的】
最近では、肥満によってうつ病や認知症のような精神疾患のリスクが増加アップすることが分かってきている。
そこで、肥満に関連した腸内細菌の変化が行動や認知機能に影響するかどうかをマウスを用いた動物実験で検証。

【方法】
肥満していない大人の雄マウスに普通の食事を与えて通常の生育環境で育て、高脂肪食もしくはコントロール食を与えられたマウスから取り出した腸内細菌を移植した。
移植後は普通食で育て、その後、総合的な行動に関する分析と生化学的な分析を行った。

【結果】
高脂肪食を与えられた腸内細菌を移植したマウスでは以下のような結果が得られたサゲサゲ↓
・体重に有意な差がないコントロール食の腸内細菌を与えられたマウスと比べて有意に記憶障害や行動障害を示した
・コントロール食の腸内細菌を与えられた群と比較すると主要な腸内細菌が全く異なっていた
腸の浸透性と、炎症性のマーカーが増加した。
脳神経が炎症を起こしていた。

<論文要旨>
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0006322314005204

さらなる研究が必要であるものの、今回の結果より食事によって腸内細菌が変化するだけで肥満とは関係なく脳機能に影響が及ぶ可能性があり、腸内細菌叢が精神疾患の治療標的として有望であることを示唆していると研究チームは結論付けているようです。

高脂肪食を摂取すると、脂肪の吸収を促進するために胆汁酸がたくさん分泌されますが、この胆汁酸によって腸内細菌に影響を与えることが分かっていますショック!

脂肪(脂質)も体にとっては欠かせない栄養素なので不足なく補う必要がありますが、欧米化した現代食では昔ながらの日本食と比較して脂質の摂取量が多くなってしまいますハンバーグハンバーガー
脂質を摂りすぎないように気を付けるとともに、腸内環境を整えるビフィズス菌乳酸菌などの有用菌の摂取やそのエサとなるオリゴ糖水溶性食物繊維などの摂取も心掛けたいですねblush音譜
2016061505

(さ)

<参考>
・リンク・デ・ダイエット 世界の最新健康・栄養ニュース
・http://nimblepixie.com/?tag=obese-type-gut-microbiota-induce-neurobehavioral-changes-in-the-absence-of-obesity

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