欧米で人気が高く、最近では日本でも注目を集めるようになってきた「チアシード」。
みなさんはチアシードとは何かご存知ですか
今回は、「チアシードとは何か」について簡単にまとめたいと思います
●チアシードとは?
「チア」は中央アメリカ原産で、白色や紫色の小さな花をつける1年草です
別名、サルビアヒスパニアとも呼ばれます。
種子(チアシード)は直径約1㎜のタマゴ型でゴマよりも小さく、黒色や灰色をしています。
古代アステカから食用として用いられていたそうです。
水分を含むと食物繊維の影響で約10倍に膨張し、ゼリー状となる特徴があります。
チアシードの栄養価は産地や生育環境・年数によって大きく変動しますが、タンパク質 (15~25%) 、脂質 (30~33%) 、炭水化物 (26~41%) 、食物繊維 (18~30%) 、カルシウム、マグネシウム、鉄などを含み、脂質の60%はα-リノレン酸、20%はリノール酸だと言われています
●ヨーロッパでの評価
ヨーロッパでは、2009年10月に初めてパン製品へのチアシード使用が上限5%で認められ、現在では使用対象が広がり、パン・菓子類、朝食シリアル、フルーツ・ナッツ・種子ミックスに10%までの添加が認められているそうです。
しかし、チアシードについて長期間にわたる調査研究を行っていないため、アレルギー発症など健康への影響が心配されることから、チアシードを包装して販売する場合は、「1日摂取量は15g を超えてはならない」との表示が必要となっています。
また、EUではチアシードに健康強調表示は認められておらず、ドイツの消費者センターは「チアシードには食物繊維やオメガ3脂肪酸が豊富だが、亜麻仁(亜麻の種子)やナッツ類など、価格が手頃で味もよい代替食品がある」と助言しています。
ドイツの消費者センターでも助言している通り、食物繊維やαリノレン酸を含む食品は他にもたくさんあります。
食物繊維は野菜や海草、キノコ類などに豊富で、αリノレン酸は亜麻仁油(フラックスシードオイル)、エゴマ油(シソ油)、くるみなどに豊富です
またチアシードは海外からの輸入品ですが、保管条件によってカビが生えてアフラトキシンという発がん性の強いカビ毒が発生してしまう場合があります
あえて珍しい輸入食品を食べなくても、日本でとれる野菜や魚介類、亜麻仁油、エゴマ油などを積極的に摂ることで体に必要な食物繊維やαリノレン酸は摂取可能です
チアシードを購入する前に、まずは普段の食事を見直した方が良さそうですね
(さ)
<参考>
・独立行政法人 国立健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報
・独立行政法人 国民生活センターHP