「砂糖は体によくない」と言って、人工甘味料を使用したダイエットソーダを飲まれている方がいらっしゃいます
しかし、ダイエットソーダは体に良いのでしょうか
今回は、「高齢者がダイエットソーダを飲んだ場合と飲まない場合でどちらが太りやすいのか」について調査した論文についてご紹介します
●高齢者がダイエットソーダを飲むとお腹周りが太りやすい
65歳以上の高齢者でダイエットソーダの摂取量が増えると腹部が肥満しやすい。という内容の米国テキサス大学健康科学センターからの研究報告です
【目的】
砂糖を過剰に摂取すると健康に影響が出ると懸念されており、過去30年でカロリーの少ない人工甘味料の摂取量が増加している。
それにもかかわらず、肥満者は時が経つにつれて急増し、人工甘味料やダイエットソーダの長期摂取した場合の健康への効果は不明な状態である
人工甘味料とダイエットソーダについては、体重の変化や心血管代謝リスクとの関係などが様々な年齢で調べているが、65歳以上の高齢者には焦点が当てられていない。
また、腹囲が大きくなることはインスリン抵抗性や2型糖尿病、認知障害、心血管疾患、および死亡の発生率と関連している。
そこで本研究では、65歳以上の高齢者のダイエットソーダの摂取と長期間の腹囲の変化との関係について調査。
【被験者】
65歳以上(試験開始時)の749名のメキシコ系および欧州系のアメリカ人
【方法】
2つの民族からなるサンアントニオ地域での老化における長期的なコホート研究
試験は1992~1996年に開始され、3回の追跡調査(2000~2001年、2001~2003年、2003~2004年)が実施された。
※調査の平均追跡期間は9.4年で、追跡調査を受けた生存者数は1回目が474名(79.1%)、2回目が413名(73.4%)、3回目が375名(71.0%) だった。
全ての試験で、空腹時血漿グルコース、身長、体重、 腹囲の測定と 、ソフトドリンクなどの飲料の摂取量調査を行った。
【結果】
ダイエットソーダを飲まなかった人は腹囲の増加が平均0.77cmだったのに対し、摂取した人の増加の平均は2.11cmであり、ダイエットソーダを摂取した人に腹囲の増加がみられた。
ウエスト周囲の変化に影響する因子(交絡因子)を調整すると、飲まなかった人は0.77cm、ときどき飲んだ人1.76cm、毎日飲んだ人3.04cm腹囲が増加という結果になった。
また、BMIや肥満者、糖尿病の割合はダイエットソーダの摂取群で高い傾向にあった。
<論文>
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jgs.13376/epdf
この研究では詳しいメカニズムについて調べていませんが、人工甘味料は、摂取することで空腹感が増して食べ過ぎてしまったり、甘味に対する味覚が鈍化して甘味中毒になることで肥満になってしまうなどの報告があり、そういったことから腹囲が大きくなりやすいのかもしれません
若い年代でもそうですが高齢者でもダイエットソーダや人工甘味料を使用した飲料の摂取は控えた方が良さそうです
以前、ブログで人工甘味料(合成甘味料)についてまとめたことがあるので、是非、こちらもご覧ください
合成甘味料(人工甘味料)の問題点とは? >
(さ)