昨年の12月に厚生労働省より平成25年の国民健康・栄養調査結果が発表されました。
平成25年「国民健康・栄養調査」の結果(厚生労働省のホームページ)
今回は「平成25年国民健康・栄養調査結果」について簡単にまとめてご紹介します
●国民健康・栄養調査とは
国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基礎資料として、国民の身体の状況、栄養摂取量及び生活習慣の状況を明らかにするため、厚生労働省が毎年実施しているものです。
平成25年は、5,204世帯を対象に実施し、3,493世帯から回答が得られ、1歳以上を対象とした栄養素摂取量については、7,801人を解析し、1人1日あたりの平均値を算出しています
●平成25年国民健康・栄養調査結果まとめ
詳細は厚生労働省のホームページをみればわかるので、昨年と比較して大きく変化している項目や、注意が必要だと思われる項目などをピックアップしてご紹介します
【栄養素摂取量】
・ビタミンA
ほとんどの年代で推奨量に満たない摂取量です。
男性では12~69歳、女性では20~69歳で推定平均必要量にも達していません。
ビタミンAが不足すると、目の乾燥や視力の低下、下痢や感染症にかかりやすくなったりします。
※ビタミンAの摂取量には、プロビタミンAであるベータカロテンの摂取量を含みます。
<平成25年ビタミンAの摂取量と推奨量の比較>
※捕捉※
推奨量 … ほとんどの人(97~98%)が不足とならない量。
推定平均必要量 … 50%の人が不足していると考えられる量。
・ビタミンB1
全ての世代で推奨量に満たない摂取量です。
また、15歳以上では推定平均必要量にも満たないほど不足が深刻です。
ビタミンB1が不足すると、疲れやすくなり、手足の感覚が鈍くなるだけでなく認知症のような症状が現れることがあります。
<平成25年ビタミンB1の摂取量と推奨量の比較>
・ビタミンB2
多くの世代で推奨量に満たない摂取量です。
特に、男性では15~59歳、女性では15~49歳は不足が深刻で、推定平均必要量にも満たない摂取量です。
ビタミンB2の不足では、成長障害、口角炎、舌炎、咽喉炎、皮膚炎が見られます。
<平成25年ビタミンB2の摂取量と推奨量の比較>
・ビタミンC
男女とも7~59歳で推奨量に満たない摂取量です。
特に15~49歳では推定平均必要量にも満たず、とても不足しています。
ビタミンCが不足するとコラーゲンが作れないため、肌荒れや歯肉炎、内出血が起きやすくなります。
また、貧血症状も現れます。
<平成25年ビタミンCの摂取量と推奨量の比較>
・カルシウム
全ての世代で目安量に満たない摂取量です。
過去2年間と比較して、1~19歳、40~59歳で減少傾向にあります。
成長期や中高年でカルシウム不足が深刻です。
<平成23~25年のカルシウム摂取量の比較>
・マグネシウム
15歳以上で推奨量に満たない摂取量です。
男性では15~69歳、女性では15~59歳で推定平均平均必要量に達していません。
カルシウムとマグネシウムの理想の摂取比率は1~2:1と言われており、カルシウムと共に摂取量を増やす必要があります
<平成25年マグネシウムの摂取量と推奨量の比較>
・亜鉛
ほとんどの世代で推奨量に満たない摂取量です。
男性では7歳以上、女性では30~69歳で推定平均必要量にも達していません。
亜鉛が不足すると、小児の場合には成長障害、性腺発育障害がみられるようになり、この他、免疫力の低下、発疹、傷の治りが遅い、男性機能不全、貧血など多くの症状が起こる可能性があります。
<平成25年亜鉛の摂取量と推奨量の比較>
・鉄
男性では1~19歳、女性では69歳以下で推奨量に満たない摂取量です。
男性では10~17歳、10~69歳で月経のある女性は、推定平均必要量にも満たない摂取量です。
激しい運動によって鉄は消耗しますが、成長期であり運動をすることの多い若い世代で不足していることは問題です
鉄不足で代表的な症状は貧血ですが、貧血によって立ちくらみ、疲労、肌荒れ、朝起きられない、イライラ、注意力散漫、物忘れ、慢性的な冷えなど様々な体調不良が起こる可能性があります。
また、運動機能や認知機能の低下、免疫機能の低下などの心配もあります。
<平成25年鉄の摂取量と推奨量の比較>
出来合いのお総菜やお弁当、カップ麺、ハム、ソーセージなどの加工食品、脂身の多い肉や魚、ご飯やパン、麺などの炭水化物ばかり食べていませんか
もしかすると、あなたのその体調不良は栄養素が足りないことによるかもしれません。
上記の足りていない栄養素をたくさん含む食材は、「緑黄色野菜」、「大豆製品」、「魚介類」、「赤身の肉や魚」などです。
不足している栄養素をしっかり補って、毎日元気に過ごしたいですね
身体活動や身体状況などについては次回まとめる予定です。
お楽しみに~
(さ)
<参考>
・厚生労働省のホームページ
・国立健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報