前回のブログでは、「乾燥とシワとタルミを防ぐには?」と題して乾燥やシワ、タルミに良い栄養素についてまとめました
これ以外にもお肌のトラブルは色々ありますね
そこで今回は「シミ・ソバカスと目の下のクマ対策に役立つ栄養素」について簡単にまとめたいと思います
●シミ・ソバカスの原因
シミ・ソバカスの大きな原因は紫外線照射と言われています。
紫外線を浴びると皮膚(細胞)に大きなダメージを与えますが、私たちの体はそのダメージを軽減させるために「メラニン」という色素を作ります。
メラニンはシミやソバカスの原因となる物質ではありますが、体にとってはとても重要な生体防御反応です
そのため、メラニンの生成をむやみに阻害するのではなく、紫外線のダメージを極力減らしつつメラニンの生成を抑え、色素沈着を抑えることが大切です
メラニンはチロシナーゼという酵素などが働いて合成されるため、チロシナーゼの活性を阻害したり、できてしまったメラニンの色を薄くしたり、分解を促進したりすることでシミ対策が期待できます
【お勧めの栄養素】
・ビタミンC
水溶性の抗酸化ビタミンであり、チロシナーゼの活性を阻害する効果が期待されています。
また、できてしまったメラニン(酸化型)を還元して無色のメラニン(還元型)にする働きもあり、美白の強い味方です。
・カロテノイド(ベータカロテン、リコペンなど)
ベータカロテンやリコペンなどのカロテノイドは皮膚中に存在し、紫外線によるダメージ(活性酸素の害)を軽減すると言われています。
・グルタチオン
抗酸化能力が強く、チロシナーゼの活性を阻害する効果が期待されています。
さらに、色の濃いメラニン(ユウメラニン)の合成経路から色の薄いメラニン(フェオメラニン)を合成する経路にもっていく働きもあります。
※ビタミンCとグルタチオンのメラニン生成へのかかわりについては、「ビタミンCの美白効果」でまとめています
●クマの原因
目の下のクマは、貧血によるヘモグロビン量の減少や血行不良などが大きな原因と考えられています
目の周りの皮膚はとても薄いため、血液の色や状態が顕著に表れやすくなります
貧血の改善や、生活リズムを整えて血液のめぐりを良くすることで、クマだけでなく肩こりや頭痛、疲れやすい、むくみなどの症状にも効果が期待できます
【お勧めの栄養素】
<貧血対策>
・鉄
閉経前の日本人女性の多くが鉄不足です。
厳しい食事制限のダイエットは控え、鉄分を多く含む食材を意識して摂取しましょう。
赤みの肉や魚、レバー、緑黄色野菜、ヒジキなどがお勧めです。
・ビタミンB群(ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12)
鉄が十分にあっても、葉酸やビタミンB12が不足すると「悪性貧血(巨赤芽球性貧血)」と呼ばれる貧血になってしまいます。
また、ビタミンB6は赤血球のヘモグロビンの合成には欠かせないビタミンです。
ビタミンB群はそれぞれ関わり合いながら働きますが、普通に食事をしていてB群のうち何か一つだけ不足することは考えにくいため、B群としてまとめて摂取するのがお勧めです。
・銅
銅は血液中で鉄を2価から3価に変換する酵素(ヘファエスチン)に必要です。
そのため、銅の不足によって体内で鉄がうまく利用できなくなってしまい、鉄があっても鉄欠乏性貧血となってしまいます。
<血流対策>
・ビタミンE
脂溶性の抗酸化ビタミンであり、血管拡張作用があります。
血管拡張によって血流アップが期待できます。
・オメガ3系脂肪酸(魚油)
血中の中性脂肪やコレステロール値の減少に役立ち、血液サラサラ作用により血流改善が期待できます。
・アルギニン、シトルリン
体内で尿素回路によってアルギニンやシトルリンを代謝する時に一酸化窒素 (NO)が生成されますが、NOには血管拡張作用があります。
・ブドウ種子
プロシアニジンというポリフェノールが含まれているため強い抗酸化力があり、血流改善が期待できます。
また、眼精疲労やむくみの対策にもよさそうです。
これからの時期は紫外線量が減少するため、美白対策にはもってこいですね
抗酸化作用のある栄養素を十分に補って、さらに美しくなりたいものです
しかし、気温低下によって血行は悪くなりがちです
無理なダイエットで栄養素の欠乏を起こさないように注意し、適度な運動や生活リズムを整えることで貧血&血行不良を防ぎましょう
(さ)
<参考>
・「健康食品」の安全性・有効性情報
・イラストレイテッド ハーパー・生化学 原書9版
・ビタミンCの辞典(石神昭人:著)
・興人 ライフサエンス ㈱資料