前回はマイクロRNA(miRNA)についてまとめました
https://www.healthy-pass.co.jp/blog/20141016/
miRNAはまだ馴染みの薄い言葉なので、興味を持つ方は少ないかもしれませんね
しかし、miRNAは多くの病気の治療に用いることが期待でき、その研究が進んでいます
そこで今回は、miRNAが臨床でどのように役立つのか、また、食品成分であるプテロスチルベンによるmiRNA制御などについて簡単にまとめたいと思います
●病気の治療とmiRNA
前回のブログでも書いた通り、miRNAの発現は細胞や器官・臓器の分化に関わるため、miRNA発現が異常になってしまうと病気へとつながってしまいます
そこで、miRNAを標的とした下記のような治療法が考えられ始めています
①miRNA発現のコントロール
miRNAは現在2400種類以上見つかっていますが、病気になることで発現量が増加するものや逆に減少するものがあり、最近の研究では、それぞれの病気でどのmiRNAが変動するのかが分かってきています。
そのため、miRNA自体の投与、薬物や食品成分の摂取などによるmiRNA発現のコントロールが期待されています
②miRNAの除去
miRNAの除去とは、血液中に存在する悪玉miRNAを透析によって直接除去することで、悪影響を抑える方法です。
この方法が最も早くから実施されています
●miRNAとプテロスチルベン
miRNAの発現は、普段食べている食品成分によって直接影響を受けていると言われています
国立がん研究センター研究所では、食品成分によるmiRNA発現への影響を調査していますが、その結果、レスベラトロールやレスベラトロールととても似た構造をしているプテロスチルベンが、がん抑制的に働くmiRNA発現を増加させることを突き止めました。
調査では、レスベラトロールやプテロスチルベンにより、乳がん細胞においてがん抑制的なmiRNA発現量が上昇し、抗がんに役立つ可能性があることが分かりました
そして、その働きはレスベラトロールよりもプテロスチルベンの方が強いことが分かっています
<レスベラトロールとプテロスチルベンについて>
レスベラトロールは赤ワインなどに豊富に含まれ、老化を抑制する長寿(サーチュイン)遺伝子を活性化させると一時話題になったことのあるポリフェノールです。
上図のように、プテロスチルベンはレスベラトロールの2か所の水酸(-OH)基がメトキシ(-OCH3)基に置き換わっています。
この違いによってプテロスチルベンはレスベラトロールよりも脂質に溶けやすくなり、より体内に吸収されやすく、体内に留まっている時間も長くなると考えられています
だから、きっとプテロスチルベンの方が働きが良いんですね
プテロスチルベンは、がん抑制以外にも、血糖やインスリン抵抗性の改善、LDLコレステロールの減少、抗炎症作用、抗酸化作用、認知機能促進作用など様々な効果が期待できる優れものです
私の場合、月経不順の改善にも役立っています
レスベラトロールを摂取していても体感がない方、是非プテロスチルベンをお試しください
(さ)