先日、「福島第一原発5号機 配管から水漏れ」という内容のニュースを見ました
原子炉の冷却には影響はなく、使用済み燃料も当面は安全だということですが、やっぱり心配ですね
福島第一原発の廃炉作業はこれから数十年は続くといわれていますが、今でも新たな事故が起きないようにとたくさんの人が作業しており、危険が全て無くなった訳ではありません
放射線は目に見えず、扱いを誤ればとても危険です
しかし、漠然と怖がっているだけでは何も対処することはできないため、まずは相手がどんなものなのか、何が危険なのかを知ることが大切です
そこで今回は、放射線について理解するために必要な放射線特有の言葉「放射線と放射性物質と放射能」について簡単にまとめたいと思います
●放射線とは
放射線とは「波長が短い電磁波」及び「高速で動く粒子」のことを言い、α線、β線、γ線などの種類があります
実は、放射線は自然界にもともと存在していてとても日常的なもので、存在していることが悪いということではありません
※少し前まで当たり前だったテレビのブラウン管からも放射線は出ています
ただ、放射線があるレベルを超えた強さや量になると、私達の健康を脅かすようになります
放射線の人体への影響(危険度)を示すのがシーベルト(Sv)という単位で、1シーベルトというのは人体にハッキリと有害な影響を及ぼすような値です
(放射線を4シーベルトを全身にあびると半数の人間が死亡すると言われています)
ちなみに、シーベルト以外によく出てくる単位であるグレイ(Gy)は、ものが受ける放射線量を示しています。
また、グレイはジュール/キログラム(J/kg)とも表され、1グレイは物質1kgあたりに1ジュール(エネルギー量を表す単位)のエネルギーを吸収したということを意味しています。
●放射性物質とは
放射性物質とは放射線を出す能力(放射能)をもつ物質の総称です。
具体的にはヨウ素やセシウム、ストロンチウム、ラドンなどの放射性元素のことです。
●放射能とは
放射能とは放射線を出す能力のことです。
能力なので、「放射能をあびる」と言うのは適切な表現ではなく「放射能を持っている」や「放射線をあびる」の方がより正確です
食品や水など、あるものが持つ放射能の強さはベクレル(Bq)という単位が用いられます。
1ベクレルとは1秒間に1本の放射線が出るような放射能の強さです。
例えば、野菜や果物には天然の放射性カリウムが含まれていますが、野菜や果物を食べることで成人男性の体内には約4,000ベクレルの量が存在していると言われています
被ばく量に換算すると、1年で食物から0.29ミリシーベルト(1,000ミリシーベルト=1シーベルト)となり、また呼吸をすることからも世界平均で1.26ミリシーベルトの内部被ばく(主にラドン)をしていると考えられます。
※食品に含まれる放射能(ベクレル)が、それを摂取する私達にどれだけ被ばく量(シーベルト)を与えるのかは、放射性物質の種類や取り込み方(吸引、経口など)、年齢などによって変わるそうです
言葉が分かったところで、次回は放射線と健康被害についてまとめたいと思います
(さ)
<参考>
・厚生労働省のホームページ
・独立行政法人 放射線医学総合研究所のホームページ
・子供たちを守るためのいちばんわかりやすい放射線対策の本(青木晃:監修、竹澤瑞穂:聞き手)
・放射線のひみつ(中川恵一:著)