ベータカロテンのビタミンA当量


当社でよくあるお問い合わせに、
 
妊婦です(妊娠を希望しています)が、ベータカロテンの摂りすぎは胎児に影響しますかマタニティマーク
 
といった内容のご質問があります。
 
そこで今回はビタミンAとベータカロテンについてまとめたいと思いますblush


 
●ビタミンA牛さんブタにわとり

ビタミンAは、動物性食品に含まれている脂溶性ビタミンの1つで、植物性食品に含まれるカロテンからも体内で生成されます。
上皮、器官、臓器の成長・分化に関与することから、妊婦や授乳婦にとっては特に必要なビタミンだと言われていますが、摂りすぎによる胎児奇形の報告もありますあせるあせる

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●ベータカロテンにんじんかぼちゃほうれんそう
カロテンは植物の色素で、体内でビタミンAに変換するためプロビタミンAとも呼ばれています。
カロテンの代表がβ-カロテンであり、強い抗酸化力を持つだけでなく、ビタミンAの作用を介して上皮、器官、臓器の成長や分化に関わっていると言われています。

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●ベータカロテンのビタミンA当量
ベータカロテンは、ベータカロテンを含む食材の種類や量、一緒に調理される食材、調理法、摂取する人の栄養状態や健康状態、遺伝的背景などによって、吸収率が3%以下から96%まで大きく異なると言われています。
そこで、厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」ではアメリカ/カナダの食事摂取基準にならってビタミンAの吸収率の1/6としています。

 
また、ベータカロテンからビタミンA(レチノール)への体内での転換効率は50%(1/2)と考えられており、食品由来のベータカロテンのビタミンAとしての生体利用率(レチノール当量:RE)は1/12(1/6×1/2となります。
 
例えば、ニンジンにんじんを1/2本(55g)程度食べると約5,000μgのベータカロテンを摂取することができますが、このベータカロテンがどれだけビタミンAとして体内で働くのかというと以下の通りです。
 
5,000μg×1/6×1/2=417μgRE
 
417μgのビタミンAウナギ蒲焼1/3串(約30g)分に相当します蒲焼
 
また、ベータカロテンは体内で必要な時にビタミンAに変換するため、ベータカロテンによるビタミンAの摂りすぎについてはあまり心配する必要はない
という考えもあります。

 
妊婦さんのビタミンAの取りすぎは心配ですが、赤ちゃんの成長には欠かせない栄養素なので、ベータカロテンの形で摂取するのが良いかもしれないですねビックリマーク
 
でも、ベータカロテンの摂りすぎでは皮膚の色が黄色(オレンジ色)になってしまう場合があるので、摂りすぎには注意してくださいpoint_up

  

(さ)

  

<参考>
・国立健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報
・日本人の食事摂取基準[2010年版]
・日本食品標準成分表2010

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