前回は「朝食って大事①」というテーマでっ朝食の大切さについて簡単にまとめました。
今回はその続きで「朝食って大事②」と題して、朝食がなぜ大切なのかについて掘り下げてまとめたいと思います
●朝食の働き
①脳のエネルギーを供給
朝食を抜いて学校や職場に行くと、イライラしたり集中力が出ず、勉強や仕事がはかどらないことはありませんか?
これは、脳のエネルギーが不足していることが原因です
脳のエネルギー源は主にブドウ糖ですが、ブドウ糖は体内に大量に蓄えておくことができないため、すぐに不足してしまいます。
つまり、空腹な状態で起きた朝の脳は、エネルギー欠乏状態ということです。
そのため、朝食を食べないと脳のエネルギーが不足し、 集中力や記憶力も低下してしまいます。
また、今までに行われたいくつもの研究で、「朝食を食べない子に比べて朝食を食べる子の方が成績が良い」ことが分かっています
②体内リズムを整える
私たちの体(脳やお腹)には時計遺伝子というものがあり、独自に時を刻んでいます
この時計には色々と種類があるようですが、
・自律的に動く
・外から修正できる
・1日の周期をもつ
という性質があります。
時計遺伝子の活動は夜更かしなどで狂ってきますが、人間は朝に強い光(朝日)を浴びるとhigh_brightness:、この光の刺激が視交叉上核に伝わることで時計遺伝子の張りが毎朝正しく修正され、体内リズムが整います。
この他に、肝臓や内分泌機関など体内の多くの臓器にも時計遺伝子があることが分かってきており、視交叉上核にある生物時計を「中枢時計」、内臓などにある生物時計を「末梢時計」と呼んでいます。
(末梢時計は朝食にて針を合せます)
中枢時計は交感神経などを通して末梢時計を統制していますが、朝食を摂らない場合には、朝の光で針を合わせている中枢時計と内臓にある末梢時計とで体内時間がくるってしまい、活動の効率が妨げられてしまいます
③生活習慣病を防ぐ
欠食して1日の食事回数を少なくすると、肝臓での中性脂肪やコレステロール合成が増大するため、1日の摂取エネルギー量を同じにしても食事回数が少なくなるほど体脂肪の蓄積が増加し、血清コレステロールや中性脂肪は高くなるといわれています
また、人の体はホルモンの影響で午前中は体脂肪の分解力が高くなり、夜間は体脂肪の合成が高まるようになっています。
朝食欠食の場合、前日の夕食のまとめ食いや夜食が原因で食べられないことが多いですが、このことは、食事回数の減少や夜間の食事量の増大につながり、体脂肪の増加や生活習慣病につながります
少し難しい部分もあったかと思いますが、朝食がどれだけ大切なのか、についてご理解いただけたでしょうか?
朝食を摂ることで、脳のエネルギーを供給し体内リズムを整え、生活習慣病を防ぐことが期待されます
ただ、どんな内容の朝食でもよいのか、というとそういうわけではありません。
例えば、「パンとコーヒー」のような食事ではビタミンやミネラルが足りないため、摂取した炭水化物(ブドウ糖)を体内でエネルギーに変えることができません
朝ご飯は、ビタミンやミネラルをたっぷりと含む野菜や果物、海草、大豆製品、肉や魚なども合わせて摂れるような献立が良いと思います。
お勧めは、昔から食べられているような和食のメニューです
ご飯(主食)と具だくさんのみそ汁(汁物)にプラスして、主菜では焼き魚や納豆、卵焼き、副菜ではお浸しや煮物、きんぴらなどが良いと思います
早寝早起きで朝食をしっかり食べ、朝から元気に活動したいものですね
(さ)
<参考>
・内閣府のホームページ
・農林水産省のホームページ
・文部科学省のホームページ
・科学が証明する 新朝食のすすめ(香川靖雄:著)