1~3月は受験シーズンですね
受験生の皆さんを少しでも応援できるよう、今回は、勉強中に起こりがちな問題をライフスタイルや栄養面からサポートする方法をご紹介したいと思います
●かしこく寝て集中力アップ
22時~2時の間は、メラトニンや成長ホルモンなどの分泌が最も盛んになる時間帯であり、この間に熟睡していないとこれらのホルモンが十分に分泌されません。
メラトニンは強い抗酸化作用を持つだけでなく、体内時計ホルモンとも呼ばれます。
夜にメラトニンが分泌されないと、日中は強い眠気に襲われてしまうため集中しにくくなってしまうと考えられます。
メラトニンの分泌には夜間の光やパソコン・携帯の電磁波、ブルーライト、カフェイン摂取などにも影響を受けると言われているため、睡眠前はそれらを避け、寝る時も部屋を暗くすることが大切です。
また、集中力を発揮するには前日の疲労を引きずらないことも重要ですが、成長ホルモンは体の成長だけでなく修復や疲労回復にも働きます。
●ストレス対策
受験勉強中は普段よりも強いストレスを感じ、体内で活性酸素が発生しやすい時期でもあります。
活性酸素は細胞を傷つけて、老化やがん、動脈硬化など多くの疾患をもたらす原因となるため、活性酸素に対抗する抗酸化物質の摂取が望まれます。
また、抗酸化物質は風邪やウイルス対策にも役立つと言われています。
抗酸化作用のある栄養素には、ビタミンCやビタミンE、CoQ10、亜鉛、セレン、ポリフェノール類などがあります。
●血流改善で自律神経を整える
座ったままで勉強を続けていると、血液やリンパ液が下肢に停留していきます。
血流が悪くなると酸素や栄養素などが体全体へと行き渡らなくなるばかりでなく、むくみや自律神経系への支障も出てきます。
また、悪い姿勢では首や肩などにも負担がかかり、頭痛や不眠の原因になることもあります。
これらの症状を改善するには適度な運動がお勧めです。
しかし、運動の時間がなかなか取れない方には以下の血流改善に良い栄養素もお勧めです。
・ビタミンE
・L-アルギニン
・L-シトルリン
・魚油(EPA)
・イチョウ葉
●食べる順番で眠気防止
食後に襲ってくる睡魔への対策には、食べ方の工夫が役に立ちます。
眠気の原因は次の通りです
1.食事をする
↓
2.急激に血糖値が上昇する
↓
3.血糖値を下げるためにインスリンが分泌される
↓
4.インスリンの働きで急激に血糖値が下がる(低血糖状態)
↓
5.眠たくなる
※低血糖状態になると睡魔が襲ってきます。
そのため、眠気を防ぐにはインスリンを徐々に分泌させて急激に血糖値が下がらないようにすることが大切です。
インスリン分泌を抑えるために糖分(炭水化物)の摂取を避けるという方法もありますが、食物繊維をたっぷり含む野菜やキノコ、海藻などを先に食べ、最後にご飯やパンなどの炭水化物を食べることでもインスリン分泌を穏やかにすることができます
上記のことをまとめると、受験勉強中には
・早く(その日のうちに)寝る
・抗酸化物質を取り入れる
・適度な運動
・甘いものを控えたり、食べる順番に気を付ける
などを行うのがお勧めです。
受験生の皆さんは合格発表まで気が抜けないかもしれませんが、「ストレスをため込まないような生活」や「適度な運動でリフレッシュする」、「食事に気を付ける」などを心掛け、体調を崩さないように気を付けてくださいね
(さ)
<参考>
・厚生労働省のホームページ
・いい睡眠があなたを10歳若くする(青木晃:著)
・53 ( 2 ) , pp.96 – 101 , 2010 , 日本糖尿病学会