日本薬剤師会より『薬剤師のためのアンチ・ドーピングガイドブック 2019年版』が作成されています。
このガイドブックは、薬剤師のアンチ・ドーピング活動への参画の一環として、2004年から毎年作成され、今回の2019年度版で16年目になるそうです。
ドーピング禁止物質や、気をつけたい要指導医薬品の紹介と合わせ、サプリメントについても下記のように言及されています。
国内外で多数の健康食品・サプリメントが入手できますが、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)は、スポーツでのサプリメントの使用を推奨していません。
国立スポーツ科学センターは、スポーツで使用できるダイエタリーサプリメントとして、炭水化物やたんぱく、ビタミン、ミネラルなどの栄養素を主成分とするもので、日常の食事から十分な量を摂取できない場合にそれらを補うもの、およびエルゴジェニックエイドといって運動量増加を助ける栄養素、水分、電解質などの成分を挙げています。
海外では、ラベルに表示しないまま不正に興奮薬やステロイドなどの医薬品成分を添加したサプリメント製品が多数流通し、そのような製品による陽性も毎年報告されているため、製造基準や製品管理の品質が不明な製品の使用は避けることが賢明です。
また、サプリメントの定義は国によって異なり、海外でサプリメントとして販売されているからといって日本国内の製品と同じとは限らないことにも留意しておく必要があります。
激しい運動量とストレスの回復のために、多くの栄養を補給する必要のあるアスリートにとって、食事で摂取しきれない栄養素をサプリメントで補うことは、健康を維持し、競技で活躍するための合理的な方法です。
サプリメントを選ぶ際は、アンチ・ドーピング認証を取得しているかが一つの判断基準となるのではないでしょうか。
なお、
「薬剤師のためのアンチ・ドーピングガイドブック 2019年版」は、全文のPDFがWEBサイトに公開されています。ご参考にしてください。
日本薬剤師会『薬剤師のためのアンチ・ドーピングガイドブック 2019年版』
https://www.nichiyaku.or.jp/activities/anti-doping/about.html